PERFORMANCE短所も長所も受け入れれば、シニアに限らず活躍できる

転職成功者の声

株式会社金井会計/金井広税理士事務所
代表取締役/税理士 金井広さん(左)
永澤誠一さん(右、取材当時63歳)

トップと同じ仕事を任せられる、経験・スキル十分な国税OBのマッチング成功例

株式会社金井会計 代表取締役/金井広税理士事務所 税理士 金井広さん

税務という枠に縛られず、岩槻市内で様々な士業を中心とした各種専門家との連携を図り、資金繰り、保険等、お金に関する様々な相談に幅広く応えるエネルギッシュで顧客本位の税理士さん。自らの事務所では年齢・性別・立場にこだわらず、来る者拒まずの柔軟な採用・活用を展開。

特別シニアを採るのではない、年齢性別関係なく、自分のペースで活躍してほしい

今回、国税庁を定年退職した永澤さんの採用に至った経緯と採用の決め手を教えてください。
株式会社金井会計 代表取締役/金井広税理士事務所 税理 金井広さん(以下、金井):事業を継続していく中で、私に何か事故だとか病気だとかになった時に、同じレベルの仕事をできる、判断ができる人が必要だなと常々思っていて、そうは言っても若い人を入れて育てることはなかなか難しくて、シニアジョブさんからのメールをもらったときに、「これは是非」と思って、まずは派遣で仕事をしていただく判断をいたしました。
私は外出も多く事務所にいないことがほとんどなので、税法などの専門知識が必要な内容については、他の職員では自分で調べると言っても、調べた情報が合っているかどうかさえ、判断できません。そういう意味では専門知識を持った永澤さんがずっと事務所にいてくれることで、他の職員もわからないことが合った際に、聞きに行くことができます。
対応も、今の税務署の出身の方なので、すごく温和です。昔は横柄な税務署の方も多かったのですが、今はすごく永澤さんのような温和な方が多いですし、いろいろな経験をされていることや、能力についても高いものをお持ちのところが、税務署を退職された方の魅力だと思います。

これまでもシニアの採用はありましたか?また、シニアの方を採用する理由は、やはり即戦力となる経験・スキルなどでしょうか?
金井:永澤さん以外にもシニアの方には複数活躍していただいていますが、特別シニアを採用しているとかそういうつもりで採用しているわけではまったくありません。若いとか年配とかそういうのは関係なく協力してもらえる人材を幅広く集めています。
最年長の方は74歳、一番若い方は二十歳です。74歳の方は、うちの職員の義理のお父さんで、会計事務所の仕事って大変なんだよと話したところ、今、手が空いてるから手伝うよ、と言って来てもらっています。二十歳の職員もお客さんのお嫁さんで、以前の職場でマタハラに遭い、その会社にいることが難しくなっていて、たまたま簿記等の知識があったので、うちで働いてみないって言って入社しました。
最初に来てもらったシニアは、現在71歳の方で、私が以前勤めていた会計事務所で先輩だった行政書士さん。会計事務所に30年勤めていて、岩槻に住んでいるので、うちの手が足りず大変なんですと言って来てもらいました。このように来る者は拒まず、といった感じに採用しています。
また、例えば、主婦の方などは、子育てとか家事とかそういう時間も取られるわけで、そうすると日中仕事できないから夜仕事しようといったことも考えていかなければならないと思っていましたから、コロナになる前からテレワークをずっと進めようと思っていて、システムを入れていました。
コロナ前はそうは言ってもみんな出社して仕事をしていたのだけど、コロナになった時、自宅のパソコンから事務所のパソコンを操作できるというシステムを入れてあったので、みんなスムーズにテレワークに移行できました。
このように、うちは従業員に時間を提供してもらっているという感覚でいて、どんな方でも関係なく、自分のできる中で活躍してくれればいいと思っています。先程も言ったとおり、特別シニアとかそういうつもりはまったくありません。
シニアに限らず、女性も男性も体調のことだとか、そういった個別の事情はあるだろうから、無理せずに自分のペースでやってもらっていうのが、今の方針ですね。基本的にはいつまでやれというのは言いません。というのは、自分の時間がある中で仕事をしてもらっており、急に用事が入ったりするのは仕方ないことですから、それは各自のペースにまかせています。

短所も長所も受け入れれば、埋もれた有能なシニアに出会える

実際にシニアジョブを使って永澤さんを採用してみていかがでしたか? また、今後のシニアの採用についてはどうお考えでしょうか?
金井:先程のとおり、永澤さんをシニアジョブさんから提案いただいた時は、本当に求めている人材だったので、すぐ決断しました。これまではこうしたシニア専門の人材紹介サービスの存在を知らず、もっぱら縁故か職安で採用していました。
うちはもともと60歳以上を採用していたので、永澤さん採用以前からシニアに悪いイメージはなく、それは特に変わりません。
今はまだ事務所に新たな席が確保できないので採用できませんが、今後も国税庁OBは採用したいですね。逆に、会計事務所勤務経験だけでの提案は、会計事務所によって考え方が違って蓋を開けてみないとわからないので、やめてもらいたいです。簿記1級を持っているとか、税理士試験1科目合格しているといった資格の有無であれば、その人材のスキルが想像できます。

これからシニアの採用を考える企業へ、コメントをお願いします。
金井:知識と経験を持った有能な人材は、たくさん埋もれているはずです。体力面や慣れる時間等、は少々目をつむり、シニアの方の知識と経験を活かして、会社の業績に結びつけ、さらに、若い従業員の人材育成にも協力をいただく、といった、短所も長所もまとめて受け入れる視点をお持ちいただければ、シニアの方は本当に会社の力になってくれると思っています。

永澤誠一さん(取材当時63歳)

取材当時63歳。国税庁を定年退職した「国税OB」で、その後、株式会社金井会計(当時は金井会計事務所)に当初は派遣社員として入職し、その後、能力と人柄を認められ、すぐに正社員に転換となった実力派。さらなる知識習得も目指す、勉強熱心で温和な方です。

長く働き続けられると、今後の目標にもつながる

お仕事探しやシニアジョブ活用の経緯、またそのご感想を教えてください。
永澤誠一さん(以下、永澤):私は国税専門官採用試験に合格してから35年間、国税局や埼玉県内の税務署に勤務してきました。国税の職場を退職後、やはり会計の仕事に就きたいと、自分で事務所を開業するか、税理士先生の事務所に勤務しようかと考えていたところ、インターネットで「会計事務所 国税OB 退職」といったキーワードで検索したところ、シニアジョブさんのサイトが目に留まりました。
そこで、物は試しと会員登録したところ、すぐに電話があり、とても若い中島社長から金井会計事務所(現在は株式会社金井会計)の仕事をについて話を受け、通勤距離も長くなく、かつて国税局時代に担当した地域だったこともあって、当初は派遣でしたが勤めることを決めました。非常にスムーズに事が運び、自分でも驚きました。

実際に勤めてみていかがでしたか? また、派遣から早期に正社員に切り替わりましたが、このご感想もお聞かせください。
永澤:まず、トップの金井さんが、普通の税理士のイメージとは違う、活発でエネルギッシュで行動的な方ですし、事務所の女性スタッフも帳簿作成やデータ入力のスピードが早く、普通の主婦ではもったいなポテンシャルを持った方ばかりです。
今は金井さんが外に出かけて仕事をし、私は事務所内にいるのですが、ゆくゆくは金井さんと同じ仕事を担当できるよう、会計事務所の業務全般についてこだわりなく最高のパフォーマンスを発揮できたらと思います。特に税法については、金井さんに負けない知識を身に着けたいです。
派遣から正社員への切り替わりについては、私は働けさえすればいいと思っていましたので、すべて金井さんにお任せしていました。でも、先程申したとおり、今後も勉強や成長を続けていきたいと考えており、派遣から正社員に切り替わったことで今後の目標にもつながったので、その意味でも一つの職場で長く働けることは嬉しいです。条件面でも非常に良くしていただいて恐縮です。
今後、金井さんも背中を押してくださっているので、税理士登録を済ませ、また、金井さんも持っている生命保険の資格も取得したいと思います。努力と経験と、国税OB魂で、早く金井さんと同じレベルの仕事を担当できるようになりたいです。

やりたい仕事に出会い、熱中できるのが最高の幸せ

何歳まで働きたいですか? また、働くシニアの増加や働く年齢が高くなっていることについて、考えをお聞かせください。
永澤:特に深い考えは持っていませんが、私はやりたい仕事が見つかって、その仕事に熱中できています。それが最高の幸せではないかと思います。
そして、体力や気力が続く限り、この仕事を続けていきたいと思います。今はもう60歳というのは「歳」ではなく、若いと思っています。

これから転職・再就職されるシニアの方に一言お願いします。
永澤:健康には十分注意して頑張ってください。定年前は地域のマラソン大会に出るなどして体力には自信があり、この20年ほど医者いらずだった私ですが、青天の霹靂のようにこの5月、急な神経痛に襲われ、2週間ほどの休みを余儀なくされました。
幸い一過性ですぐに何事もなかったかのように元気になりましたが、その後は毎日ラジオ体操をするなど、健康に十分留意しています。体力に自信があっても、60歳を過ぎると誰しも急な不調に襲われる可能性が高くなり、定年というのはそういった意味もあるのかと思いました。
やはり、なにより健康が一番です。